先日、とある会議に参加しました。
3時間を超える長丁場でしたが、残念ながら私にとって得られるものが少なく、つい途中で厳しい反応をしてしまいました。
その瞬間、自分でもわかるほど、発言に「トゲ」が出ていたと思います。
私は昔から、会議などの重要な時間や、真剣に考え決断する場面で、「このままで本当に良いのか?」と感じてしまうことが多く、率直(ストレート)な言葉でその場の本質に切り込んでしまう癖があります。
もちろん、意地悪をしたいわけではありません。
むしろ、「もっと良くなってほしい」という一心なんです。
会議に参加する全員の時間を大切にしたいからこそ、「意味のある時間にしよう」という想いで、つい厳しい言葉が出てしまうのです。
とはいえ、相手に委縮されてしまうこともしばしばあります。
言葉にトゲがあるのか、育ちが出てしまうのか(笑)
私もまだまだ成長段階。
表現が未熟なまま、誤解を生んでしまうこともあります。
妻との会話でもつい言葉が強くなり、時折険悪な雰囲気になってしまうこともあります。
そんな時、私の心を支えてくれるのが、 アドラー心理学の書籍『嫌われる勇気』です。
「他者の評価を気にせず、自分の信じる道を生きる」
「自分の発言や行動は、“他者貢献”の目的であるならば、堂々としていればいい」
都合よく解釈しているわけではありません。
でもこの本の一節一節は、私自身の生き方や選択を肯定してくれるように感じるのです。
私が厳しくなるのは、誰かを否定したいからではありません。
「この場がより良くなるためには、何をすべきか」
その問いを常に持ち続けているからこそ、時に厳しい言葉にもなってしまうのです。
それは、お客様に対しても、スタッフに対しても、経営においても同じ。
どんな場面でも、私は「より良くすること」に真っすぐでいたいと思っています。
アドラーは、こうも言っています。
「課題の分離」
それは、“自分の課題”と“他人の課題”を切り分けること。
自分が伝えることと、それをどう受け取るかは、別の課題である。
私は、自分の課題として「伝える責任」を果たしたいと思っています。
ただし、その伝え方が不器用である限り、謙虚に学び、工夫することもまた責任です。
嫌われないように取り繕うのではなく、 “嫌われすぎないように”謹んでまいります。
最後に、『嫌われる勇気』の中で私が特に好きな一節をご紹介します。
「承認を求めてはいけない。貢献感こそが幸福である」
この言葉は、経営にも人間関係にも深く響きます。
これからも、相手のため、会社のため、社会のため、 「より良くする」という目的のために、誠実に言葉を選びながら、率直に伝える勇気を大切にしていきたいと思います。
株式会社 浅穂
代表取締役 淺田 規文